『クラウド時代と (クール革命)』 角川 歴彦
Posted on 木曜日, 4月 1st, 2010 at 10:27 PM角川グループホールディングスのCEOが、IT社会の歴史や今後の展望を語っています。
クラウド時代と<クール革命> (角川oneテーマ21)
片方 善治

【目次】
第1章 クール・パワーを新しい国力へ
第2章 新時代への予感
第3章 「知」のグローバリゼーションからは逃げられない
第4章 web2・0体験記
第5章 クラウドの奇跡
第6章 アメリカから起こる21世紀の産業革命
第7章 提言
これまでのIT社会の歴史が再確認できます。
IT史上、最重要な出来事の一つとしては、やはりWindows95の台頭があります。一般的にはMicrosoft一人勝ち時代の始まりであり、インターネットの本格的な普及と軌を一にしています。
その後は、IT革命を経て、昨今のWeb2.0やクラウド・コンピューティングに続いていきます。Google,Amazon,Appleなどの企業がもう一方の主役として登場します。
本書では特に触れていないのですが、ハード的な技術革新に支えられている面も大きいです。Web2.0やクラウド技術は、貧弱な通信回線(アナログなど)やPC(その他、サーバ、NW機器)では実現できませんでした。ハードの革新に伴ってソフトウェアのバージョンアップが進められていきます。現状のハード上で、ソフト的なバージョンアップの頭打ち、飽和状態が訪れれば、またハードのパワーアップが期待されます。
「グローバリゼーション」という使い古された言葉があります。
最近では「グローバル化とはアメリカ化のことだ」と皮肉を言う人も少なくありません。上記に挙げた代表的なIT企業は皆アメリカの企業であり、ITにおいてはアメリカの多大な恩恵を受けているとも言えるし、別の見方をすればアメリカに牛耳られている面があります。
アメリカの強みの一つは、まず自由ありきの発想ではないかと思います。例えば日本は、著作権を気にしてコンテンツをWeb上にアップロードするには事前に許可が必要という「オプト・イン方式」で動く傾向があります。アメリカの考え方は何でもアップロードするのは自由であり、後に問題や要請があれば削除するというyoutubeのような考え方で動きます(P.60,61)。当然、日本企業は初動において遅れを取ることになります。
クラウド・コンピューティングの本格化が進み、幾つかの企業のみのクラウドサーバで世界が動く時代がやってくるだろうという予測があります。本書には、その中の一つでも日本において獲得しないとナショナリズム的な危うさがあるという趣旨の指摘が書かれています。
Googleへの批判として、膨大な検索履歴データベースの危険性が指摘されています。ある意味、中国はこれと戦ったのですが、別の思惑があることも言うまでもありません。
最後に、日本はクラウドサービスによる電子政府の宣言をすべきと提言しています。
知っている内容が多かったのですが、ITの過去から未来への流れが分かりやすくまとめられているのはよいと思います。<クール革命>についてはいまいちピンと来ませんでした。おススメ度○○○
角川歴彦『クラウド時代と』
クラウド時代と (角川oneテーマ21)角川 歴彦角川書店(角川グループパブリッシング)このアイテムの詳細を見る
今回は、角川歴彦『クラウド時代と』を紹介します。を紹介します。第1章か…